ブレイディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」面白いです。
イギリス在住の著者が、息子さんが通う元底辺中学校で起こる
様々なエピソードを書いた本ですが、非常に示唆的です。
息子さんは、自分に対しての差別発言なども体験するのですが、
ヨーロッパ人のクラスメートが、お互いを差別する発言をするのを耳にしたり、
水泳大会でプールのあちら側とこちら側に家庭の貧富の差が現れたり、
保護者がボランティアしないと子供をサポートできない現状になっている政治を嘆いてたり。
筆者は、必死に制服を縫って助けたりといったエピソードが語られます。
彼女が住んでいる町はLGBT率が高く、
子供たちが自分の家庭の事情を受け止めて生きているといったことなど。
社会とのつながりが、日本に住んでいる自分の日々とは違うなと強く感じさせられます。
最近、さまざまな差別に関する発言が話題になりますね。
この本では、周囲の人のさまざまな背景を尊重しながら生きている様子が語られます。
その中での失敗談なども。
あるときは学校で、イギリスとは違う、ある人種とその文化に関しての現実を子供に教える。
転校してきた生徒のことで、です。
知らないより知ってどうするか、という考え方なのだろう、など。
実際、海外に行くと(最近行けませんので昔ですが)
人種差別的なことを何らかの形で経験することはありますよね。
ちょっと嫌な呼び方で呼ばれたり、無視されたり、あからさまに厳しいことを言われたり。
でも、もし海外に行ってそういう経験をしたとしても、
それはあなただけに起こることでもない。
そしてそれは、日本だけにいると肌感覚では実感できないこと。
最近はスポーツの中で人や文化の「違い」を多少経験できましたね。
いいことだけもてはやされますが、そうでないことも知った方がいいのでしょう。
日本は少しdifferentな文化を持っているという自覚も、必要かなと感じたりします。