大学入試問題の英文はNewsweekなどから引用されていたり、エッセイや論文、また小説だったり、レオ・バスカリアの哲学的文章だったり。出典がわかったときにうれしかったりする。”Lydia and I…” と始まる文章で、フランスの農家でパートナーと管理人の仕事を請け負ったライターの二人が、だんだん蓄えもつきてひもじいなか、残り少ない材料で最後のパイを作ったら焦げて食べられず… という話が中央大にとりあげられていた。「誰がauthorなのか?」ふと I got a hunch. 調べたら、やはりポール・オースターだった。なんだか嬉しくなった。そんな話をしたとして生徒はそれほど興味を示さず、「楽しんでるのは私だけ?」なんてことも。
中央大・経済学部の問題に、”Soaring food prices are being driven by speculative investments and the risign price of oil. という文で始まる問題があった。背景を調べてみた。「・・・2008年には原油価格が上昇したのでエタノール生産が価格面でもますます有利となり、多くのトウモロコシが食用ではなく、エタノール生産に仕向けられました」(キヤノングローバル戦略研究所サイト 山下一仁研究主幹の文章より引用)。
大学入試問題は、当然のことだが、大人にとっても非常に興味深い内容の宝庫である。大学生になる生徒たちにとっては、世の中を知るもうひとつの機会である。英語での文章の組み立て方も非常に参考になるはずだ。そういう意味でも大学入試問題を使った授業は有意義である。