武蔵小杉校卒業生Rくんのフィールドワークを3回にわたって連載しております。
Rくんは、今年、武蔵小杉校を卒業、一橋大・社会学部に進学しましたが、普段からフィールドワークなどが好きでこのようなレポートを書いていたとのこと。
今回は、彼の地元「鷺沼」についての第二弾をお届けします!
*** 第二回 東急電鉄の理念と一致した鷺沼の地形 ***
東急電鉄は田園都市線を敷くにあたって、安全性の確保や渋滞の回避を目的として踏切を設置しないように路線を設計した。
そこで東急電鉄は路線にトンネルや高架を利用することで平面交差ではなく立体交差をつくり、踏切を避けようとした。しかし、一般的な平地に踏切を設置しない路線を敷こうとすると、常に地下を通させるか、もしくは高架を建造しなくては、人や車が線路を横断して移動することはできない。ただ、路線の多くを地下や高架にしてしまうと、トンネルの掘削費に多くのお金を取られ、高架の建設によって周辺の日照が悪化するというデメリットがある。
丘陵地で起伏の激しい鷺沼では、踏切を設置しないという計画は地理的な面で理にかなっていた。下の図は鷺沼駅周辺の地図であり、青の部分は標高が線路と同じ、もしくはそれより低く、緑の部分は標高が線路よりも高いことを表す。また、地図の北東から南西に伸びる路線が東急田園都市線である。
図2 鷺沼周辺の標高図
「地理院地図」より作成、引用
この地図を見ると、線路と緑部分が重なるところ、つまり土地の標高が線路よりも高くなる場所が真ん中に2箇所見受けられる。この2箇所の部分を上の地図のように赤丸で示した。
この赤丸の部分は短いトンネルになっており、トンネルの上は道となっている。
またこの地図の赤い三角の部分の土地は地域の中ではかなり標高が低く、線路の高さが土地の標高よりかなり高くなるので、線路が高架となっている。
赤丸から赤い三角までの距離は約200メートルであり、実際の赤い三角の場所は次の写真のようになっている。
《 最終第3回に続く 》