皆さま「ごんぎつね」というお話はご存じですか?私は子供の頃読んでとても印象に残っている物語です。
ごんぎつねについて、先日読んだ「誰が国語力を殺すのか」という本に信じ難い事が書かれていました。
ごんが、村の青年、兵十の母親のお葬式の準備を物陰から見ると、村の女たちが台所で働き、鍋では何かがぐずぐずと煮えている、と書かれている場面を読んで小学生たちに、これは何をしていると思うかと聞くと「お母さんの遺体を煮て骨にしている」「お母さんの遺体を煮て殺菌している」と答える子が少なからずいる、というのです!
新井校の生徒たちがこの場面を覚えているのなら、どう読み取ったのか気になります。
今では家でのお葬式を目にする事がないという背景を差し引いても、明らかに状況を読み取る力が不足していると筆者は問題視していました。そこから、学校の国語授業の目的とは、という話になって行き大変興味深い内容だったのですが・・・
私も英語を教えていて「そもそもこの日本語の意味が難しいよね」と話す場面がよくあり、まず国語の力が大切だと感じている事は、教室だよりにも時々書かせていただいています。
また、物事の背景や他者の感情を想像したり、自分の心情をきちんと言葉で表現できる力も「国語力」であり、その力をしっかり持っているほど、様々な物事に対応する力も強くなっていく、そしてそれはテクニックとして一朝一夕に身につくものではなく、家庭での会話や人間関係などから育んでいくもの、というのが先ほど挙げた本の主なメッセージでした。
受験を控えている皆さんにとっても、今は不安や緊張で落ち着かない苦しい時期ですね。
また、誰もが学校生活では周りの人に苛立ったりする事もあるかと思います。
そんな気持ちを今の「国語力」で表現したり、自分なりに考えて整理するうちに、また次の困難にも立ち向かえる力がついて行くと思います。
春はもうすぐ!頑張れ、みんな!