駆け足で季節が巡って行きます。
朝夕のひんやりとした空気、爽やかな青空、夕やけから一気に訪れる暗い夜空。短い秋を味わいたいものです。
さて今日は「英語力は国語力」というお話です。
高校生の訳教材の中にある、子供が長時間テレビを視聴する問題を扱った文章に、
「多くの人々は、長時間のテレビが子供に与える影響を心配している」という一文があるのですが、ここで「心配している」と訳されるbe concerned with という熟語を辞書で見ると「関係している」という意味が最初に記載されています。そのため、ほとんどの生徒は「影響に関係している」と訳してしまいます。
「いやいや、前後の流れから見て、関係している、はおかしいでしょう、他の意味はない?」と言うのですがなかなかピンと来ないようです。
また、「心配している」という意味だと分かっても「テレビを心配している」と訳してしまう、というケースもありました。
英文を読みながら自分の頭の中にある日本語と置き換えて理解して行くのですから、日本語力がどれだけ育っているかが本当に重要だと思います。
日本語でも文章を読むのが苦手だという人が、英語の長文を読むのはとてもしんどい事に違いありません。
読書の秋ですし、たまには、本(電子書籍でも)を読んでみることをお勧めします。
スマホを何となくスクロールして、誰が書いたのか、本当なのかどうかも定かではない情報を取り込んで時間をつぶしてしまう事も多い昨今。
勉強のため、と考えると抵抗がありますが、自分が普段考えているような事をプロの作家が見事に文章で表現してくれていたり、心理描写をしてくれていたりするのを読むと、悩んでいた事の答えになる場合もよくあります。
お気に入りとなる本との出会いがあると良いですね。