秋も深まってくると、
クラスに来る受験生の顔が何となく曇ってきます。
高三になりたてのころは、受験生の気負いはあるものの、
考え方がまだまだ甘く、
漠然と 「志望校のどこかには合格するだろう」と思っています。
根拠のない自信です。
けれども、3ヶ月、4ヶ月と勉強していくうちに、
受験がそれほど甘いものではないということがわかってきます。
「秋頃には、もっとできるようになっていたはずなのに…」
そんな思いが表情を暗くさせているのかもしれません。
この時期には、クラスの中で意識して生徒に言葉かけをします。
「前よりスピードがついてきたね。」とか、
「文法がずいぶん入ってきたみたいね。」とか、
「文の構造をとるのは、もう完璧!」とか。
決して嘘ではありません。
春に比べたら、本当に力がついてきているのです。
でも、生徒にしたら「まだまだ」なんでしょう。
たまに、「今、不安な人いる?」と生徒に訊きます。
ほとんどの生徒が「はい」と答えます。
「今不安なのは、勉強をしている証拠!」と言うと、
生徒たちは怪訝な顔。
勉強をすればするほど、自分の足りないところや弱点がわかります。
「ああ、ここはまだやれてなかった!」
「あれ、これはこの間確認したのに、また間違えた!」
「あらー、勘違いしてた!」
これは、勉強しているからこそわかることです。
受験生の皆さん、
今不安なのは、きちんと勉強している証です。
あと三カ月、その不安に押しつぶされることなく、一生懸命勉強してください。
「こんなに勉強することは、もう、一生ないと思います!」
と言って、卒業していった生徒がたくさんいました。
惜しくも第一志望が駄目だった生徒も、やりきったという思いを持って、
胸を張って大学に行きました。
悔いのない勉強をするお手伝いができたら、と、
講師一同、心から願っています。