H.D. 東京工業大学 環境・社会理工学院 社会・人間科学系 社会人間科学コース
(工学院大学工学部機械工学科卒)
私の今回の合格体験記は、他の方々のような大学(学部)の受験についてではなく、大学院(修士)の受験(しかも他大学)について書かせて頂きます。ですので、ほとんどの人には興味のないものかもしれません。しかし、少なからず需要がある事を信じ、書きたいと思います。私の大学受験の受験体験記は以前書かせていただいたので、こちらを参考にしていただけると、大学受験からの流れがわかり、より想像しやすいかもしれません。
私が、他大学の大学院に行きたいと考えるようになったのは、大学受験が終わって、入学するまでの期間です。一浪して望んだ受験で、二浪しようか、はたまた仮面浪人するかなど、いろいろ考えた時期でした。勝どきの先生方、山口先生、高校時代の担任の先生、進路指導の先生、実にいろいろな方に相談しました。そうして行く中で、理系ということもあり、大学院に進学する選択肢が大いにある事を認識しました。またその際、他大学を受験して自分の行きたいところに行くという選択肢があることも知りました。大学にまだ入学する前なのに、他大学受験相談窓口に電話して、他大学受験が可能かを聞いたりもしました。(入ってもいないのに. . .と笑われ、「うちの大学の大学院も素晴らしいよ」なんて言われたりもしました。)大学院で再度挑戦する事を視野に、大学に入学することにしました。
大学に入ってからは、実験や課題に追われる日々でした。ほとんどの人は、入ったら勉強でそっちのけで、遊んだり部活やサークルで大学生活を謳歌したりすることでしょう。しかし、行きたい大学ではなかったので、当時の自分はそんな気になりませんでした。また、入学する前に勝どき校の先生に「どの大学でも一番はすごいから、学年で一番を目指せ!」と言われたこともあり、大学の授業や課題には真剣に取り組みました。学年で一番にはなれませんでしたが、日々授業に取り組み、テストである程度の点数を取っていたことが、後々の多大学受験でかなり効いていました。(当時の自分はそんなこと思いもしませんでした)
月日は経ち、学部3年生になると、徐々に周りも進路について考えるようになりました。その頃には、多大学受験の熱は、入学時ほどではなくなっていたかもしれません。というのも、またどうせ受からないだろうという思いや、インターネット上に書かれた多大学院進学に対する冷ややかな反応などを目にしていたからです。そうした流れから、周囲の波に乗り、就活を本格化させて行くこととなりました。様々な企業のインターシップに早期から参加させていただくようになり、あれよあれよという間に、選考が順調に進んで行きました。学部三年の3月ごろの早期面談(インターン参加者向けの役員最終面談前の実質的な最終面談)まで、行きました。それまでのインターンもメーカーの技術者募集ということもあり、学部の学生が少ない印象を受けていましたが、早期面談で待合室にいた学生で自分以外は院生でした。結果的にこの面談で私は落ちてしまいました。それまで順調にきていたのに、早期面談になると、研究の内容等を集中的に質問されました。研究室に配属される前の学部三年生では、なかなか厳しい戦いになりました。この経験から、再び大学院に行って、今後のキャリアにプラスになるような研究活動をしたいと考え出しました。
4年生になると、先ず、研究室に配属されました。私は、スポーツとその道具の関係についての研究をしました。三年生までに、卒業研究以外の単位は取り終えていたので、一年間は研究のみに専念できました。研究は、今までの授業と違い自分で一から組み立てて行うので、それまでとは違った大変さがありましたが、時間的には少し余裕ができました。その時間を使って、他大学の大学院について調べることが出来ました。また実際に出向いて、研究施設の見学をしたり、先輩に過去問をもらったり、雰囲気を肌で感じることもできました。大学院の受験は、大学受験のように学部学科を選んで受けるというより、研究室を受けるようなイメージでした。なので、上記のように、実際に足を運んでみるというのはとても重要でした。
大学院の試験は、大学受験と同様に、一般受験と推薦形式の受験が大体どの大学院でもあると思います。(私が受けた二つの大学にはありました)そして、私は運よく、二つの大学共に推薦形式の受験に振り分けられました。この振り分けは、出願の際の『学部』での成績と『TOEICまたはTOEFL』の二つの成績で判断されます。私は、学部時代のトータルの成績が確か. . . ,6番か7番目だったと思います。(GPA3.7位(?)だったはず)成績がよくても何の意味もないだろうと思って生きていた自分でしたが、まさかこんなところで効果を発揮するとは思いませんでした。大学生になって、人生で初めて「真剣に授業を受けて正解」でした(笑)「一番を目指せ」と 行ってくださった勝どき校の先生に感謝です。
ちなみに、推薦形式の受験になるとは思ってもいなかったので、一般に向けて受験勉強はしていました。科目は『英語』『数学』『専修科目』の三つでした。英語は、TOEICの試験対策と同様に公式問題集と【キクタン】をやりました。数学は、【マセマ】シリーズをひたすらやりました。専門科目は、過去問を中心にやりました。(わからない問題は教科書を参考にしました)中でも点数を稼ぎたかった材料力学は【大学院入試で学ぶ材料力学演習】というのをやりました。いずれの教科もネットに載っている情報を参考にしました。しかしネットの情報があっているか不安があった私は、実際に院試を受けた方や、これから受ける同期に聞きましたが、みんな行き着くところは同じサイトで、同じような参考書に落ち着いていました。なので、多大学受験を検討している人は、ネットで先ずは調べてみるのが良いと思います。(ただし鵜呑みにせず、確認は必要!)
推薦形式の受験が決まってからは、受験勉強の手を止め、面接に向けての準備を始めました。面接は、志望理由などを聞かれる定番の形式と異なり、教授陣の前で、やっている研究についてプレゼンする形式だとイメージしてください。私が入学した大学院は、10分書画カメラを用いてプレゼンし、30分間質問を浴びせられるという、なかなかしんどいものでした。研究のテーマ設定から、意図、過去の研究をしっかり把握しているかなど、実に様々な角度から、質問が飛んできました。中には文系の先生もいらっしゃって、とんちんかんな質問も来ました(笑)
最後に、院試を考えている人に向けて、まとめたいと思います。推薦についての情報は、ネットには殆どなく、情報のない中で戦わなくてはならないのが大変でした。そして改めて、大学院受験は情報戦であると感じました。
・研究室訪問はできるだけ早く(一回の訪問では複数の研究室を回りきれない。興味のある研究室は網羅するべき。 受験の際に希望順位を描くときの参考になる)
・実際に他大から来ている先輩を探す。(過去問をいただける、研究室のリアルを教えてくれる。ネットの情報は嘘 も多い)
・受験勉強は早めに(内部受験の人は、問題作成に携わる教授の授業を実際に受けているので、外部の人はだいぶ 不利。早めの対策を!)
最後に、院試は大学受験と異なり、仲間が周りにいないことが孤独ですが、意外に世の中には外部院を受ける人がいます。院試を考えている人は、決して1人ではありません。私の体験記に興味を持ってくれた人、もっと話を聞いてみたいと思った時にはぜひ連絡ください(笑)自分の知っていることはお伝えします。(ここには載せられなかった細かいところまでお伝えできると思います)受けずに一生後悔するより、学歴ロンダリングだなんだと言われようが、自分の思ったようにやってみるのが一番だと思います。自分も、まだスタートラインに立ったばかり、自分のキャリアを築いて行くために、日々の研究を頑張って行こうと思います。